詩歌の森日記

古典文学講座 万葉集ー巻十四「東歌」の世界➀

2024年7月10日
ラベル : 講座

令和6年度古典文学講座万葉集

5/8(水)に始まった古典文学講座

岩手県立大学名誉教授の佐々木民夫先生が講師を務める

毎年恒例の人気講座です。

 

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今年度のテーマは、

万葉集―巻十四「東歌」の世界

万葉集巻十四に収められた古代東国地方の歌を

学びます。

 

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第1回(5/8)では古代の「東(あづま)」・東国とはどこを指すのか

古代の都の人々から見た東人(あづまひと)とは

どのような存在であったかを

お話くださいました。

 珠洲の海に 朝開きして 漕ぎ来れば 

 長浜の浦に 月照りにけり(十七・四〇二九)

大伴家持が越中国守として能登半島の珠洲から

長浜の浦に着いたとき、

月の光を仰ぎ見て作った一首。

「東歌」ではありませんが、今年元旦に震災に

見舞われた能登の地に思いを馳せて、鑑賞しました。

 

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リピーターの多い受講生の皆さん。熱心に先生のお話をメモされていました。


第2回(5/15)では、巻十四「東歌」、

そして「陸奥国(みちのくのくに)の歌」も

取り上げられました。

 会津嶺の 国をさ遠み 逢はなはば 

 偲ひにせもと 紐結ばさね(十四・三四二六)

都人からすれば「みちのく」は未知の国であり、

夫婦は離れ離れになる際に

お互いの衣の紐を結び合うといった習わしが

あったそうです。

 

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東国十二ヶ国とは長野から陸奥国まで。陸奥国は福島県から宮城県北部との説。

 

第3回(5/22)では「鶏が鳴く東」、「みちのく」について

取り上げられました。

 息の緒に あが思う君は 鶏が鳴く 

 東の坂を 今日か越ゆらむ(非別歌十二・三一九四)

「鶏が鳴く」は「東」の枕詞で、万葉集の中では

九例も使われているとのことです。

都人からみた東の国は様々な言い回しで

とらえられていたのがわかりました。

 

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「都」と対比される「鄙」(田舎)とも異なる「東」とは…

 

後半は第4回「葛飾の真間の手児名」

第5回「児ろ」、「かなし」、「寝」

第6回 巻十四「東歌」の世界となります。

東歌についてさらに深く知ることが

できそうです。

後半へと続きます。

                   ゆ

俳句実作講座【句会篇】 2023

2024年3月19日
ラベル : 講座

 

令和5年度俳句実作講座【句会篇】が開催されました。

講師は、高野ムツオ館長です。

 

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◆第1回 10/19(木)、20(金)開催◆

初回の題は「木の実」で一句、

自由題で一句です。

今回は句会形式で講座が進むため、

あらかじめ提出いただいた句の一覧を配布し

指定された時間内に2句選び、

受講生の方々に順に発表していただきました。

 

その後、集計して最も票が入った句を選んだ方々から

「句を選んだ理由、感想」など

発表していただく流れです。

 

館長の選句や指導も入り、受講生の方々も丁寧にメモをとられたり

質問されたりと真剣な様子で受講されていました。

 

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受講生の句で、今回最も票が入った句は

〈縄文の裔とし木の実拾ふかな〉

〈木の実ふる子等それぞれの道をゆき〉

〈公園の隅の除染土虫すだく〉

です。

 

講座の最後に、票が集まった句を作られた方々へ

ムツオ館長直筆の色紙がプレゼントされました。

 

◆第2回 11/16(木)、17(金)開催◆

 

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詩歌の森も秋が深まる11月中旬。

第2回の題は「時雨」で一句、

自由題で一句です。

 

前回同様、句会形式で行われます。

今回は「選んだ理由」の他に「選ばなかった理由」

も発表し、句の理解を深めていきます。

共感が寄せられることもあれば、

思ってもいない視点からの意見に

魅力が増す句もありました。

 

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受講生の句で、今回最も票が入った句は

〈友へかける言葉を探す息白し〉

〈小春日やざぶざぶ洗ふ樽三つ〉

です。

 

今回は耳に残るリズム感の良い句や、

学生の方の句に

票が多く入っている印象でした。

 

◆第3回 12/21(木)、22(金)開催◆

題は「年用意」で一句、

自由題で一句です。

年用意の句は、自然などを組み合わせるなど

あっさりと作った方が良いとのお話もありました。

 

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受講生の句で、今回最も票が入った句は

〈ばあちゃんのレシピの誤字と年用意〉

〈年用意母の手擦れの備忘録〉

〈開戦日イマジンを弾くそば店主〉

〈犬の餌もメモに書きたす年用意〉

です。

 

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俳句はおりてくるのをただ待つのではなく

『七転八倒していると、おりてくるもの』

と館長はおっしゃっていました。


『にぎわいと寂しい』『多いと少ない』など
強弱がある言葉をセットにすると俳句が生きる


自然と人間の世界を同時に表現するとよいなど

俳句作りのアドバイスもあり、

受講生の方々の俳句への制作意欲も

さらに高まっているように感じました。

 

最後に

高野館長、受講生の皆様、

ありがとうございました。

 

次回のご参加もお待ちしております!

 

OKP

第20回俳句まつり

2023年11月30日
ラベル : イベント

11月11日(土)に、

第20回俳句まつりの表彰式を開催しました。

 

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今年の応募数は、3,270句。

北上市内外含め26校から作品が寄せられました。

選考は、俳人の照井翠2.jpg先生です

各部門の特選句をご紹介します。

 

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〈 小学校 低・中学年の部〉

ままとうみたのしかったなすなまみれ

北上市立黒沢尻東小学校1年 鎌田真柊鈴さん

 

〈小学校 高学年の部〉

一人から一気に始まる雪合戦

北上市立江釣子小学校6年 平賀夕結さん

 

 〈中学校の部〉

めぐりあい輝きを増す天の川

北上市立南中学校3年 栗山麗美さん

 

 〈高校の部〉

黒光る夏を耐え抜き戦士の背

岩手県立黒沢尻工業高校1年 中村哲平さん

 

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小原学局長が、

出席された入選者一人一人に

賞状を授与しました。

おめでとうございます!!

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花巻の中学校からかけつけてくれた皆さんも!

 

高校生の部では試験期間と重なるなどして

受賞者の参加がかないませんでした。

そのような中、学校を代表して

ご参加くださった先生もいらっしゃいました。

お忙しいところをありがとうございます。

 

 

表彰式の後には、

「俳句であそぼ!」を開催しました。

 

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季語などを用いた二択の俳句クイズに挑戦!

答えはどっちかな?

 

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クイズの後は、季語探しをしに詩歌の森公園へ。

 

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照井先生がたくさん季語のヒントをくださいました!

 

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和室に戻ってきたら、おのおの俳句作りに取り組みます。

 

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つくった俳句を短冊に書いていきます。

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第20回俳句まつりにご参加いただいた皆さん、

本当にありがとうございました。

 

「俳句であそぼ!」でつくった作品は

1階エレベーター手前サンチョクコーナーに展示しています。

来年もたくさんのご応募をお待ちしております!

 

 

北上市 高校生俳句バトル!2023②

2023年10月30日
ラベル : イベント

午後からは、

講堂に場所を移して俳句バトルを行いました。

俳句甲子園にならった形式で

学校ごとの対抗戦です!

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初戦は黒北対専北Aチームでした。

 

各チームの代表者がそれぞれ俳句を読み上げ、

それに対して質疑応答を3分。

1試合につき先鋒、中堅、大将の3句勝負です。

対戦ごとに選者の先生方が判定し、

旗の色の数で勝敗が決まります。

 

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昨年同様、

選者は写真左側から順に、

神野紗希先生

高野ムツオ館長

山下正彦先生(北上市芸術文化協会会長)

です。

 

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回を重ねるごとに

どんどん積極的な意見や感想が!

 

試合結果、各選者の特選は以下のとおりです。

 

〈優勝〉

専修大学北上高校Aチーム

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〈神野紗希選 特選〉

日車や大地震(おおない)の地に輝いて 

菅原麻菜香さん(黒沢尻北高校1年)

〈山下正彦選 特選〉

青い春知らない私の赤い糸 

嶋野未来さん(専修大学北上高校2年)

〈高野ムツオ選 特選〉

狼がヒラヒラと飲む川の水

髙橋翔さん(北上翔南高校1年)

 

おめでとうございます!!\(^o^)/

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俳句をつくるところから始まり、

作品にのせて、自分の思いを表現する。

最後には参加したみなさんの顔が

自信に満ち溢れていたのが

印象に残りました。

「とてもいい経験をした」

「これからも俳句に触れていきたい」

そんな感想も聞かれました。

 

参加してくださった高校生の皆さん、

選者の先生方、

ご協力いただきましたスタッフの皆さん、

本当にありがとうございました!

 

北上市 高校生俳句バトル!2023①

2023年10月30日
ラベル : イベント

10月14日(土)に、

北上市 高校生俳句バトル!2023

開催されました。

北上市内から参加した10名の高校生が

ワークショップや俳句甲子園形式のバトルに

挑戦しました!

 

最初に午前の部として、

俳句の作り方を基礎から学ぶ

ワークショップが会議室で行われました。

講師は昨年同様、

午後からのバトルで選者も務めていただく

神野紗希先生(俳人)です。

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神野先生ご自身も高校時代俳句甲子園に参加され、

優勝のご経験が!!

 

今回は

黒沢尻北高校

北上翔南高校

専修大学北上高校

3校から参加がありました!

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皆さん最初は緊張気味…(^^;)

 

まずは俳句の基本を学びます。

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俳句は世界最短詩です。

外国でも「Haiku」で通じます。と、先生。

 

講義の後はいよいよ俳句を作ります!

俳句は一つ核をきめて

そこから育てていくと

作りやすいと先生はおっしゃっていました。

とはいえなかなか難しい~(+_+)

 

そこで神野先生が用意してくださった

『俳句メーカー』

が登場します!

季語札(五)自由札(七)自由札(五)

3枚のカードを組み合わせることにより

俳句が作れるカードです。

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カードを見ながら真剣そのもの…。

 

みなさん仲間たちと意見交換しながら

ワイワイ楽しそうに

作品を作っていました。

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神野先生やスタッフの方々に

アドバイスをいただきます。

 

作った作品は

午後からのバトルで発表します。

ほとんどの人が

俳句を作った経験がない

とのことでしたが、

さてどんな作品が生まれたのでしょうか…?

楽しみです!

 

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