詩歌の森日記

俳句実作講座【句会篇】 2023

2024年3月19日 13時21分
ラベル : 講座

 

令和5年度俳句実作講座【句会篇】が開催されました。

講師は、高野ムツオ館長です。

 

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◆第1回 10/19(木)、20(金)開催◆

初回の題は「木の実」で一句、

自由題で一句です。

今回は句会形式で講座が進むため、

あらかじめ提出いただいた句の一覧を配布し

指定された時間内に2句選び、

受講生の方々に順に発表していただきました。

 

その後、集計して最も票が入った句を選んだ方々から

「句を選んだ理由、感想」など

発表していただく流れです。

 

館長の選句や指導も入り、受講生の方々も丁寧にメモをとられたり

質問されたりと真剣な様子で受講されていました。

 

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受講生の句で、今回最も票が入った句は

〈縄文の裔とし木の実拾ふかな〉

〈木の実ふる子等それぞれの道をゆき〉

〈公園の隅の除染土虫すだく〉

です。

 

講座の最後に、票が集まった句を作られた方々へ

ムツオ館長直筆の色紙がプレゼントされました。

 

◆第2回 11/16(木)、17(金)開催◆

 

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詩歌の森も秋が深まる11月中旬。

第2回の題は「時雨」で一句、

自由題で一句です。

 

前回同様、句会形式で行われます。

今回は「選んだ理由」の他に「選ばなかった理由」

も発表し、句の理解を深めていきます。

共感が寄せられることもあれば、

思ってもいない視点からの意見に

魅力が増す句もありました。

 

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受講生の句で、今回最も票が入った句は

〈友へかける言葉を探す息白し〉

〈小春日やざぶざぶ洗ふ樽三つ〉

です。

 

今回は耳に残るリズム感の良い句や、

学生の方の句に

票が多く入っている印象でした。

 

◆第3回 12/21(木)、22(金)開催◆

題は「年用意」で一句、

自由題で一句です。

年用意の句は、自然などを組み合わせるなど

あっさりと作った方が良いとのお話もありました。

 

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受講生の句で、今回最も票が入った句は

〈ばあちゃんのレシピの誤字と年用意〉

〈年用意母の手擦れの備忘録〉

〈開戦日イマジンを弾くそば店主〉

〈犬の餌もメモに書きたす年用意〉

です。

 

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俳句はおりてくるのをただ待つのではなく

『七転八倒していると、おりてくるもの』

と館長はおっしゃっていました。


『にぎわいと寂しい』『多いと少ない』など
強弱がある言葉をセットにすると俳句が生きる


自然と人間の世界を同時に表現するとよいなど

俳句作りのアドバイスもあり、

受講生の方々の俳句への制作意欲も

さらに高まっているように感じました。

 

最後に

高野館長、受講生の皆様、

ありがとうございました。

 

次回のご参加もお待ちしております!

 

OKP

こどもの俳句教室2023 秋の部

2023年10月27日 17時09分
ラベル : 講座

10月8日(日)と15日(日)の全2回で 

こどもの俳句教室(秋の部)が開催されました。

夏の部に参加してくれたメンバーに新たなメンバーも加わり

みんなのやる気も上がります!

クイズや季語探しなどを行いながら

片方みち子さん髙橋美恵さんと共に

俳句に慣れ親しんでいきます。

 

【第1回目(10月8日)の様子】

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簡単な自己紹介の後

片方さんと美恵さんから

今日のスケジュールなどを聞きます。

みんなわくわくそわそわ♪

 

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さっそく外へ季語を探しに出発!!

まずは俳句クイズにチャレンジです!

答え(季語)を見つけに雑草園に向かいましょう。

 

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歩いていくと「がまずみの実」がなっていました!

秋の季語を発見です!

 

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雑草園に到着したら、みんなで探索開始!

おや?どうやらお庭の奥で

青邨さんの句碑を見つけたようです。

俳句クイズの問題を解いていきましょう♪
​​​​

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山口青邨宅にもクイズの答えが!!

 

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雑草園と山口青邨宅を探索した後は

詩歌の森の中にも季語を探しに行きましょう!

俳句を作るヒントになりそうです。

 

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詩歌文学館に帰ってきたら

クイズの答え合わせをして

俳句作りに取りかかりましょう♪

「もっと俳句を作りたい!」とみんな笑顔。

 

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最後にみんなが作った俳句の中から

お気に入りの句を発表し合いました!

 

 

【第2回目(10月15日)の様子】

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第2回もご挨拶からスタート!

雑草園へ季語探しに出発です!

15日のお天気は雨☂

思い思いの傘をさして

季語を探しながら俳句を考えます(^^♪

 

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山口青邨宅で片方さんが教えて下さった

青邨さんのお話に

みんな興味しんしん!

 

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青邨さんが実際に使われていた机で

聞いたお話や俳句をメモメモ( ..)φ

どんどん素敵な俳句が生まれそうです!

 

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戻った後は、俳句作りに再挑戦!!

 

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俳句の基本的なルールは「五・七・五」の

17音(おん)で句をつくること!

指を使って確認する子も。

 

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作った句を練習用短冊に書いて

投句箱へイン!

 

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俳句が出そろったらスタッフが句会の準備へ!

待っている時間に俳句かるたをして盛り上がっていました♪

 

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準備が整ったら

いよいよ句会が始まります!

お気に入りの句を選んで

どこが良かったかもみんなの前で発表しました(*'▽')

 

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最後に自分で作った一番のお気に入りの句を

筆ペンで短冊に揮毫(きごう)します!!

 

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今回も素晴らしい俳句作品がそろいましたね☆ミ

作品は後日

館内1階のサンチョクコーナーにて展示予定です!

 

どちらもエネルギッシュな会になりました!!

参加者の皆さん

片方さん美恵さん

本当にありがとうございました!

 

OKP

俳句実作講座【添削篇】 2023

2023年9月8日 10時18分
ラベル : 講座

 

令和5年度俳句実作講座【添削篇】が開催されました。

講師は、高野ムツオ館長です。

 

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◇第1回 5/18(木)、19(金)開催◇

題は「葉桜」または「薫風」で一句、

自由題で一句です。

始めは、「葉桜」「薫風」が取り入れられている俳句を鑑賞しました。

それぞれの季語だけでなく、

ほかの「植物」や「風」に関連する季語に話を広げて、

意味や使い方を詳しく教えてくださいました。

 

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次に、受講生の皆さんへの添削指導です。

館長から丁寧な指導が入りました。

受講生の皆さんも、真剣に聞き入っていました。

 

◇第2回 6/15(木)、16(金)開催◇

題は「青田」または「夏燕」で一句、

自由題で一句です。

田に関連する季語として、「青田」のほかに、

「植田」「春田」「稲田」などが挙げられました。

そして、これらの季語を使い分けるためには、

「いつから」といった科学的日数で考えるのではなく、

目で見た時の印象が大切であると、解説がありました。

 

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添削指導では受講生の、

〈待ち人の来るや駅舎に夏燕〉

という一句について、

「待ち人/燕が駅舎に来た」という、情景の取り合わせが上手い

切れ字の「や」で、待っていた相手が来たことへの感動が表現できている

などの解説がありました。

そして「駅に着いた」ことが分かりやすくなるよう、

例句として、

〈待ち人の駅に着きたり夏燕〉を挙げてくださいました。

 

◇第3回 7/20(木)、21(金)開催◇

題は「噴水」または「胡瓜」で一句、

自由題で一句です。

「噴水」「胡瓜」の俳句を鑑賞しながら、

季語の歴史や、俳句に込められた思いなども、

詳しく教えてくださいました。

 

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最後に、受講生の方から、

「語彙力を増やすために、先生が心がけていることはどんなことでしょうか?」

と質問がありました。 

館長は、

「できるだけ、詩・短歌・俳句を読む」

「分からない言葉があれば、必ず調べる」

といったことを挙げられました。

「その土地や身近の伝統的な言葉を吸収することで、日常の言葉の気付きに繋がる」

とのことです。

 

高野館長、受講生の皆様、

ありがとうございました。

次回もぜひご参加ください!

A

こどもの詩のワークショップ2023

2023年8月22日 12時00分
ラベル : 講座

8月9日(水)10日(木)に、

こどもの詩のワークショップが

開催されました。

講師は盛岡市在住の詩人で

国語科の教員として

県内各地の中学校に勤められた

菊池唯子(きくちゆいこ)先生です。

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詩やことばの魅力を
替え歌や詩作を通じて、

楽しみながら学びます。

今年は6名のこどもたちが

参加してくれました!(^^)!

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まずは、「あいうえお」を使って

ウォーミングアップをしたら

自己紹介タイム!

みんな大きな声が出せていたよ。

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まど・みちおさんや草野心平さんの

詩を読んでいくと

ひとつの音の言葉でもいろいろな読み取り方が

あることがわかって面白い!

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「おとうさんの木」という作品から

どんなことがわかるか、

みんなで詩に書き込んでみたり、

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「あさがお」という作品では、

「わたし」と「あさがお」がお話しする中で

いつの朝顔に問いかけているのか、

みんなで相談して答えを導き出しました👍

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休憩をはさんだら、みんな大好き外遊び!

詩歌の森へお散歩に出かけます。

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今年の夏はセミがたくさん!

木に止まっているセミ、脱皮中のセミ、

とんでいるセミ。

公園を整備してくれているおじさんに

セミの穴のありかも教えてもらったよ。

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1日目は、お部屋に戻ってきたら

「ドレミの歌」の替え歌「アイウ編」を

みんなで協力して作りました。

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いよいよ詩を作って発表タイム(*^▽^*)

自分の作った詩にそえてクレヨンや色鉛筆で絵を描いていきます。


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2日目はまん中に書きたいテーマ「詩のたね」を

決めて、矢印の先に「どんな」「いつの」

「何みたい」など

思いついた言葉を入れていきます。

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誰かのすきなところ3つ、きらいなところ3つを

書き出して、最後に「きらい」から「すき」に

ひっくり返します。

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100%のすき、100%のきらいはなくて、

きらいの中にすきを発見するのが楽しいね、と先生。

大切な家族への思いを詩の中で表現できたね(*^^)v

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最初は少し緊張気味だった子どもたちも

先生のワークショップに参加するうちに

いつのまにかたくさんの言葉が

出てくるようになりました(*^▽^*)

 

みんなが作ってくれた詩は、詩歌文学館の

サンチョクコーナーに

展示する予定です。

 

8月中はクイズラリーも開催中なので

また遊びに来てくださいね!

来年もまたのご参加お待ちしております✧♡

                            

                   ゆ

                                                                                                                                  

 

                                                                                                                          

短歌入門講座

2023年8月21日 13時48分
ラベル : 講座

7/8(土)、7/22(土)、8/6(日)に、

短歌入門講座が開催されました。

講師は、高校の教員(国語科)で、

歌誌『塔』の選者を務めていらっしゃる

梶原さい子先生(宮城県気仙沼市出身)です。

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梶原先生の講座は今年で8年目となりました。

 

鑑賞や実作をとおして、短歌を基礎から学ぶ講座です。

第1回目(7/9)では、短歌の基本的な決まりごとを学んでから、

「付け句」「題詠」に挑戦!

 

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まずは穴埋め問題!

妻のゐぬ夜の厨(くりや)にわれを呼ぶ「○○」に返事して立つ

○○には何が入るでしょう?

答えはなんと「電子レンジ」!

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続いて「付け句」に挑戦!

お題の「もしここにタイムマシンがあったなら」。

続く下の句を自分で作って、

1首の短歌を完成させました。

さて皆さんどんな下の句を考えたのでしょう…?

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「渋沢栄一顔になりたい」

「憧れていた古代のローマ」などがあがりました(^^)

その後グループに分かれ、

出来上がった作品に対して感想を話し合います。

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次はいよいよ「題詠」

「小」をお題に一首短歌を作り、

最後に全員で作品を鑑賞し合いました。

 

第2回目(7/22)では、

短歌のポイント(下の句の付け方、比喩の歌)

を、勉強しました!

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最初に壁に貼られた短歌に、

よいところ(感想)を付箋に書いて貼っていきます。

ちなみに作者は伏せてあります。

この短歌は受講生の皆さんが宿題として事前に提出した作品です!

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お題は「野」

草、球、富良

原しんのすけ…(^^)

人それぞれいろんな「野」があるのですね。

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下の句の付け方、比喩について学んだあと、

最後に1人一首比喩の歌を作りました!

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この日も完成した作品について、

感想を話し合いました。

講座を重ねるごとにどんどん積極的に意見が出るように!    

                                                                                                                                                                                                                                                                   

第3回目(8/6)では、「変わり歌合(うたあわせ)」に挑戦!

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「変わり歌合」では、お題の中の文字を入れ込んで短歌を作ります。

今回は四人一組の班に分かれ、お題の文字を一人一字ずつ担当しました。

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「羽」「生」「電」「撃」Σ(・ω・ノ)ノ!

最近ウワサのあのお方です!

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発表は、短歌の作者とは別の人(応援者)が行います。

応援者の皆さん、事前に作者にお話を聞いたり…

大切な作品をどのようにプレゼンするか考えてました。

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作品のいいと思うところを、

自分のエピソードを交えたりしながら発表してました!

 

短歌は自由で楽しいという先生のお言葉のとおり、

終始楽しい雰囲気の中での講座でした。

最後に受講生の皆さんからは、

とても楽しかった、また参加したいという声もいただきました。

梶原先生、受講生の皆さん、ありがとうございました!

A

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日本現代詩歌文学館

日本現代詩歌文学館の公式ブログです。学芸係が、当館の日常や詩歌の森公園の四季を紹介します。

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