詩歌の森日記
2024年9月1日 14時00分
ラベル : 講座
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8月7日(水)8日(木)に、
こどもの詩のワークショップが
開催されました。
講師は盛岡市在住の詩人で
国語科の教員として
県内各地の中学校に勤められた
菊池唯子(きくちゆいこ)先生です。
詩やことばの魅力を
替え歌や詩作を通じて、
楽しみながら学びます。
まずは、童謡「おおきなたいこ」を使って
ウォーミングアップ!
(たいこ)のかわりに(おばけ)を入れたり、
(とんとんとん)のかわりに
(ヒューヒューヒュー)を入れたり
意見を出し合って大盛り上がり!
楽しい替え歌ができました(^^♪
阪田寛夫さんの「なまえ」という詩を
分担しながら音読した後は、
いくつかの詩の本文から
どんなタイトルが面白いか
考えて発表しました。
そのあと、音やようすを表すオノマトペを使って
オリジナルの詩を作ります。
詩と一緒にクレヨンで絵を描いたら
それぞれ自作の詩を発表!
ことばを繰り返してリズムを作れば詩ができる。
これがあったら面白いもの(ありえないもの)を
書くといいよ
唯子先生からのアドバイスもあって
みんな楽しい詩をつくることができました👏
2日目は、岸田衿子さんの詩「いろんなおとのあめ」から
昨日教わったオノマトペを見つけたり
自分たちで考えた言葉を当てはめたりしました。
同じく岸田衿子さんの詩「どうぶつかるた」では、
どんなひみつがかくされているか
みんなで相談して意見を出し合いました。
そしていよいよ詩の材料を探しに詩歌の森へ!!
どんな発見があるかな?
文学館に隣接した山口青邨宅も探検。
詩作のヒントになりそうなことばを拾っていました。
今年も公園にたくさんいるセミ(&脱け殻)たち。
池に泳ぐアメンボたち。
何気ない子供たちの会話を聞きながら、
詩にできそうな言葉がたくさんつまっているから、
それをそのまま詩にしてみて、と先生。
お部屋に戻って、
今度は川崎洋さんの詩「木」から
表現の工夫について考えました。
一行ずつホワイトボードに書いていって
どんな詩ができあがるかな?
みんなで作った詩「おかあさん」はこちら!
各自で詩をつくる時間でも、長い間集中して書いて
お話になっていたり、リズムになっていたり
工夫がたくさんありました!
と先生からお褒めの言葉が✨✨
2日間を通して子どもたちが作ってくれた詩は、
詩歌文学館の
サンチョクコーナーに
展示中です。
来年もたくさんのご参加お待ちしております✧♡
ゆ
2024年8月13日 13時30分
ラベル : 講座
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令和6年度俳句実作講座【添削篇】が開催されました。
講師は、高野ムツオ館長です。
◇第1回 5/16(木)、17(金)開催◇
館長の添削とお話を楽しみに、例年以上に
市内外から沢山お集まりいただいたこともあり、
今年は早速、受講生の皆さんへの
添削指導に入ります。
題は「菜の花」または「母の日」で一句、
自由題で一句です。
受講生の方の作品に
語尾に「なう」を使った句があったとき、
「○○なう」というフレーズは
SNSにあげるときによく使われると
高校生の受講生さんから声が上がる場面も。
新しい表現が俳句の中にもたくさん
登場していますね。
母の日で句を作るときは、感謝の気持ちを
示すことと、モチーフが大事なのでそうです。
自分の母についての句が基本なので、自分が
母だとちょっと自慢気になってしまうかも?
◇第2回 6/20(木)、21(金)開催◇
題は「夏嵐」または「夏野」で一句、
自由題で一句です。
「夏嵐」は強いけれど、
「青嵐」「薫風」はそれに比べて爽やかなときに
使われるとのこと。
館長は、一つの句の中に情報量が多いときは、
見どころを一点に絞ったほうが良い。
また、読み手がその句を読んで、頭の中で
映像化できるかどうかが大事だと
お話しくださいました。
◇第3回 7/20(木)、21(金)開催◇
題は「夏の雨」または「栗の花」で一句、
自由題で一句です。
受講生の方の
〈夕間暮れおいでおいでと栗の花〉
という句については
風にそよいでいる栗の花が想像でき、
子どもがいなくなる時間帯の怖さが
うまく表現できているそうです。
受講生の方から、
「旧かな遣い/新仮名遣いは、句の中で
どちらかに統一したほうがよいか」
とのご質問がありました。
館長からは、
基本はどちらかに統一したほうがよいが、
チャレンジとしてはやってみていいと思うので、
自分なりの表現をさぐっていただければ、
とのお話でした。
毎回講座の終了後には受講生に囲まれる
高野館長。
みなさん、館長にきいてみたいことが
たくさんあるのですね。
次回もぜひ当館の講座へのご参加、
お待ちしております。
高野館長も丁寧な添削とお話
ありがとうございました。
ゆ
2024年8月9日 10時27分
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7/6(土)、7/20(土)、7/28(日)に、
短歌入門講座を開催しました。
講師は、宮城県気仙沼市出身、
歌誌『塔』の選者の
梶原さい子先生です。
梶原先生は
高校の教員(国語科)でもいらっしゃいます。
◇◆第1回(7/6)◆◇
初回は短歌の基本的な決まりごとを学び、
その後、実作として
「付け句」や「題詠」に挑戦しました!
まずは穴埋め問題でエクササイズ!
隠れたところに何が入るでしょう?
『言うことを お願いだから 聞いてくれ
暴走するな 私の○○』
受講者のみなさんからは
『右脳』『前髪』『グーグル』『思い出』
といった回答が。
この中に正解が!
正解は・・・『前髪』でした(^^)
続いて「付け句」。
先生の出した上の句(5・7・5)に
続く下の句(7・7)をつけます。
作品ができたらお互いの作品を鑑賞し合いました。
同じお題でも違う歌になるのがおもしろい!
最後に、
題詠として『目』を入れて、
一首短歌を作りました。
短歌は自由なので、どんどん作って下さいね
とおっしゃるの先生のお言葉に背中を押され、
皆さん続々と作品を完成!
それぞれ自分の作品を発表しました。
どの作品もすばらしい!
拍手~~\(^o^)/
◇◆第2回(7/20)◆◇
この日は最初に、
壁に貼ってある短歌に対して
感想(よいところ)を付箋に書いて貼っていきました。
これらは事前に宿題として提出してもらった
受講生のみなさんの作品です。
ちなみに『風』というお題で歌を作りました!
よいところが次々浮かんできます(^-^)
その後、先生から、
短歌はついつい自分のことを詠みがちですが、
文学作品ととらえると自分のことでなく、
誰のことを詠んでもよいのです。
というお話をいただきました。
そこで、「テーマ詠」に挑戦!
『自分以外の何かになって歌を作ってみよう!』
何になろうかな・・・?
作品が出来上がったら
班ごとに発表し、
歌会をします。
皆さんだんだん慣れてきて、
どの班も積極的に意見が交わされていました!
先生からも講評をいただきました。
◆◇第3回(7/28)◇◆
最終回となるこの日は
『変わり歌合わせ』に
挑戦しました!
4人1組の班に分かれ、
お題を1人1文字担当し、
担当した文字を入れこんで短歌を作ります。
今回のお題は、
『五』『輪』『聖』『火』
とてもタイムリーなお題ですね(´∀`*)
作品ができたら、
なんと(゚д゚)!!自分以外の作品を発表します。
事前に作者にお話を聞いたりして、
皆さんどうプレゼンするか考えてました。
作品のよいところ、
おもしろいところなどなど・・・。
自分の作品をまた違った視点で見てもらうのは
新たな発見になります。
短歌をとおして、
様々な年代の方々が交わり、
お互い刺激を受け合うような、
とても活発な雰囲気の講座でした。
梶原先生、受講生の皆さん、
ありがとうございました!
ず
2024年7月24日 15時30分
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今年も6月2日(日)と9日(日)の2週にわたって
こどもの俳句教室が開催されました。
片方みち子さん、髙橋美恵さんと一緒に、
クイズや季語探しをとおして、
俳句を楽しみながら作ります。
今回は18名のこどもたちが参加してくれました。
第1回目の6月2日は、まず俳句クイズにチャレンジ!
クイズの答え(季語)を見つけに、
雑草園と詩歌の森公園へ探検スタート!
この植物はなんていうの?
夏の季語になるのかな?
質問がとびかいます。
山口青邨さんのお宅と庭を探検!
詩歌の森公園には季語がたくさん!
見つけた季語は「柘榴(ざくろ)の花」「青梅」「睡蓮」
「山法師(やまぼうし)」「籐椅子(とういす)」など…
クイズの答え合わせのあとは、見つけた季語で俳句を作りました。
作った俳句を短冊に書き、投句箱へ投句した後、
名前を伏せて清記した俳句の一覧が、こどもたちに配られました。
一覧の中から、自分の好きな俳句を2句ずつ選びました。
次から次へと作品が投句箱の中へ・・
こどもたちの俳句をつくるスピードに
いつも驚かされます。
第2回目の6月9日は、前回の振り返りからスタート!
前回作った俳句に、片方さんと美恵さんが
コメントしてくださった後、
外へ季語探しに向かいました。
同じ場所でも、2週間も経つと
植物の様子や見つけられる季語が変わってきます。
季語探しをとおして、少しずつ変わっていく季節を
こどもたちは感じとっていました。
いま目の前にある植物も季語として俳句にできるよ!と先生。
ハチの巣を発見!この辺を飛んでいるのはどんなハチかな?
紫蘭(しらん)が咲いていました!この花は夏の季語です。
和室に戻った後は、俳句作りに再挑戦!
今回は作った俳句を、筆ペンで短冊に揮毫(きごう)しました。
筆ペンで短冊に丁寧に書いていきます。
今年もコロナ感染対策を行いながらの
開催となりましたが、
クイズから始まり、公園での季語探し、俳句作りと揮毫も、
子どもたちは楽しみながら取り組んでいました。
より俳句を身近に感じることができたのでは
ないでしょうか。
作品は、館内に展示中です。
是非、ご覧ください。
ゆ
2024年7月20日 11時00分
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5/8(水)に始まった古典文学講座万葉集
岩手県立大学名誉教授の佐々木民夫先生が講師を
務める、毎年恒例の人気講座です。
6月に入り、後半3回の講座が開かれました。
第4回(6/5)では都と「東」・東国、
「葛飾の真間の手児名」が取り上げ
られました。
都人が富士山の雪景色、噴煙の描写を
して賛美しているのに対し、
東人は日常生活の場、
環境として捉え、相聞の歌に取り入れて
います。
伝説の美女として万葉集に登場する「葛飾の真間の手児名」に興味がわきます。
第5回(6/12)では「東歌」の「相聞」が
取り上げられました。
相聞とは恋の歌のこと。都の歌に比べて、東歌は大胆で実直なものが多いそう。
多摩川に 晒す手作り さらさらに
なにそこの児の ここだかなしき
(武蔵国歌十四・三三七三)
「東歌」に出てくる「かなし」は、
悲哀の意味で使われているもの
は少なく、そのほとんどは、いとしい、
かわいいの意味で使われて
いるそうです。
東歌では多様な序詞が登場します。ある語句を導き出すための前置きとして使われます。
第6回(6/19)は巻十四「東歌」の世界。
東歌の多様性について、これまでの振り返りと
ともに、民謡などの側面がうかがえる歌が
いくつか紹介されました。
稲搗けば 皹るあが手を 今夜もか
殿の若子が 取りて嘆かむ(十四・三四五九)
(稲をついて荒れたわたしの手を 今夜もまたお邸の若様が
手に取って嘆かれることだろうか)
稲つきをする女性たちが笑いながら
歌い合っていた作業歌のようなものだったの
ではないかという説もあるそうです。
知れば知るほど奥の深い「東歌」の世界。
来年もまたどんな万葉集のお話が
きけるのか楽しみです。
ゆ