詩歌の森日記

古典文学講座-大伴旅人の歌の世界①

2023年8月15日 10時45分
ラベル : 講座

令和5年度古典文学講座万葉集

5/10(水)に始まった古典文学講座

岩手県立大学名誉教授の佐々木民夫先生が講師を務めている

毎年恒例の人気講座です。

 

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今年度のテーマは「大伴旅人の歌の世界」

歌人であり高級官吏でもあった大伴旅人は、

どんな歌を残したのでしょうか。

 

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第1回(5/10)では万葉集と大伴旅人の略歴が

取り上げられました。

万葉集は、それまで声に出しながら歌っていた

ものが、漢字による表記が始まったことで

イメージの広がりを持つようになったそうです。

旅人は天皇の先導役となる豪族の出身で、太宰府時代に度々宴会も主宰し

その中でいくつもの歌を詠んでいます。

 

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第2回(5/17)では、旅人の平城京から太宰府へ

赴任した時期の歌が取り上げられました。

大宰府時代の歌に出てくる「空し」(実体のない

もの)という言葉には、同行してきた妻が

病死したこともあり、切なさ・悲哀が表れている

と同時に、世の中に対する旅人の

思いも表れているそうです。

 

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第3回(5/24)では都・平城京への思いが

こめられた歌について取り上げられました。

「わが盛り またをちめやも ほとほとに 

奈良の都を 見ずかなりなむ」(第3巻・331番)

では、年老いたまま都を見ずに終わってしまうの

ではないかという寂しさを歌っています。

旅人はその後、都へ戻ることになりますが、後半

へと続きます。

                   ゆ

俳句実作講座 3班 4班

2023年2月2日 11時39分
ラベル : 講座

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令和4年度 俳句実作講座(3班、4班)が開催されました。

講師は、高野ムツオ館長です。

 

◇第1回 11/17(木)、11/18(金)開催◇

題は「小春」または「時雨」で一句、自由題で一句です。

始めは、有名な俳人の作品の中から、

「小春」「時雨」の季語を取り入れている作品を紹介しながら、

季語の意味、作者の思いや情景なども詳しく教えてくださいました。

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次に受講生の皆さんへの添削指導です。

作品を見ながら、更に良くなるにはどうしたらよいのか

丁寧に指導をされる館長。

 

「寒空へ飛び立つ鳩の羽音かな」については、

少し寒そうなイメージがあるとのことで、

「寒天へ飛び立つ鳩の羽音かな」を例句として教えて下さいました。

「寒晴、雪天なども良いですね。季語の違いで映像が変わる。」

と仰っていました。

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略語の使用についての質問に対しては、

用語として通用しているなら良いとのことで、

具体例を参考に教えて下さいました。

(例)エアコン、パソコン、スマホ→○

 

◇第2回 12/15(木)、12/16(金)開催◇

題は「帰り花」または「年用意」で一句、自由題で一句、です。

季語の意味や基本、作る時のポイントなども教えて下さいました。

他には、藁は清浄で神聖なもので、様々なものに使われることから、

しめ縄の意味や由来などのお話もしてくださいました。

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添削指導では、

「帰り花日差しやさしき院の庭」については

「病院の庭の日差しや帰り花」を例句として

教えてくださいました。

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「年用意」の季語については、場面が見えにくいなど、

季語の難しさについても教えて下さいました。

 

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◇第3回 1/19(木)、1/20(金)開催◇

題は「白菜」または「寒の水」で一句、自由題で一句、です。

有名な俳人の作品を鑑賞しながら

「白菜」の歴史、「寒の水」の基本的な意味、

イメージなどの説明をしてくださいました。

「白菜」については、身近な野菜なので名句が沢山あるとのこと。

類句にならないよう工夫するなどのアドバイスもしてくださいました。

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 添削指導では、

・季語の力や、切れ字をいかす

・意識しながら言いたいところを省くと良い句になる(ひとつのポイント)

などなど、俳句のコツについても、詳しく教えてくださいました。

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最後に、受講生の質問に対して、

自分の句で、一番気に入っている句を

紹介してくださいました。

 

「夏の雨うるさくひびく夜の寺」

 

館長が、小学生の時に作った作品で

今でも、その時の情景がよみがえってくるそうです。

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高野館長、受講生の皆様、

大変ありがとうございました。

 

次回も是非ご参加お待ちしております(*^^*)

so/i

こどもの俳句教室2022 秋の部

2022年11月24日 13時37分
ラベル : 講座

10月2日(日)と16日(日)の全2回で

こどもの俳句教室が開催されました。

講師の小林輝子先生

そして門屋允子さん、片方典子さん、髙橋美恵さんと一緒に、

クイズや季語探しをとおして俳句を作りました。

 

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輝子先生、門屋さん、片方さん、美恵さん、

よろしくお願いします!

 

第1回目の10月2日の様子です。

 

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まずは俳句クイズにチャレンジしました!

答え(季語)を見つけに雑草園へ!

 

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ざくろの実を発見!秋の季語です!

 

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お家の中でも探しました!

 

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雑草園から帰ってきた後は、見つけた季語で俳句作り!

最後にみんなが作った中から、

お気に入りの俳句を選びました!

 

第2回目の10月16日の様子です。

 

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さっそく雑草園で季語探し!

空を見上げると…

 

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鰯雲(いわしぐも)が浮かんでいました!

こちらも秋の季語です!

 

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2週間前と同じ場所でも、秋が深まって、

見つけられる季語が変わってきていました。

 

戻った後は、俳句作りに再挑戦!

今回は作った俳句を、筆ペンで短冊に

揮毫(きごう)しました!

 

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普段はあまり使わない筆ペン。

皆さん集中していました…!

 

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力作ぞろいです!!作品は後日、館内に展示予定です!

 

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皆さん、楽しそうに季語探しや俳句作りに挑戦していました!

参加者の皆さん、

輝子先生、門屋さん、片方さん、美恵さん、

ありがとうございました!

 

A

俳句実作講座 1班 2班

2022年11月16日 14時47分
ラベル : 講座

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令和4年度 俳句実作講座(1班、2班)が開催されました。

講師は、高野ムツオ館長です。

 

◇◇第1回 8/25(木)、8/26(金)開催◇◇

はじめに、第1回目の題となっている「葡萄」「七夕」の季語を

取り入れている有名な俳人の作品を鑑賞していきます。

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「七夕」には「雨」がつきもので、雨の句が多いことや

季語の意味についても詳しく教えて下さいました。

他にも、類想、類句について、気を付けた方がよいとのことで、

エピソードを交えてお話して下さいました。

 

次に受講生の皆さんの添削指導です。

作品を見ながら、更に良くなるにはどうしたらよいのか

丁寧に指導をされる館長。

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「青葡萄」「青柿」など、果物に「青」つける場合の注意点や

難しさについても教えて下さいました。

(食べられるものと、食べられないものがあるため)

 

受講者から季語についての質問などもあり、

皆さん熱心に受講されていました。

 

◇◇第2回 9/15(木)、9/16(金)開催◇◇

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題は「花野」または「月」で一句、自由題で一句、です。

有名な俳人の作品の中から、「花野」「月」の季語を

取り入れている作品を紹介しながら、

季語の意味、作者の思いや情景なども詳しく教えてくださいました。

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添削指導では、言葉の選び方や語句の入れ替えについて具体的に

説明してくださいました。

(例)

月の出や(上五)→ 宵闇やとした場合、

月が出る前の闇となる。(一つの方法)

並ぶ屋根(下五)→ 屋根並びと入れ替えることで、

印象がやわらかくなる。

 

◇◇第3回 10/27(木)、10/28(金)開催◇◇

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題は「小鳥来る」または「露」で一句、自由題で一句、です。

「小鳥来る」という季語は、基本、朝や鳴き声であること、

対比として「色鳥」という季語があることも教えてくださいました。

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館長は、季重なりの質問に対して

・名句にも沢山ある。ケースバイケースで

必ずしも駄目という事ではないですが、注意はした方がよい。

・俳句を習っている時などは、避けた方がいいですね。

などなど、いくつかの具体例を参考に分かりやすく

説明してくださいました。

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良い俳句が多くなっていて、とても楽しく鑑賞できる。

是非、「鬼剣舞」「鹿踊」などの、ご当地季語を使って俳句をつくり、

大事に語り継ぎたいですね。とおっしゃっていました。

 

高野館長、受講生の皆様、

大変ありがとうございました。

 

次回も是非ご参加お待ちしております(*^^*)

so/i

 

短歌入門講座

2022年10月2日 16時13分
ラベル : 講座

7月から8月にかけて、

短歌入門講座が開催されました。

講師は、高校の教員で、

歌誌『塔』の選者も務めていらっしゃる

梶原さい子先生(宮城県気仙沼市出身)です。

 

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梶原先生の講座も、今年で7年目を迎えました!

 

鑑賞や実作をとおして、短歌を基礎から学ぶ講座です。

第1回目(7/9)では、短歌の基本的な決まりごとを学んでから、

「付け句」「題詠」に挑戦しました!

 

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エクササイズとして穴埋め問題!

紙で隠された箇所には、どんなことばが入るのか…

正解は…「海」でした!

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まず「付け句」に挑戦!

お題の上3句に、下2句を自分で作って、

1首の短歌を完成させました。

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次は「題詠」

「水」をお題に短歌を作りました!

辞書を引いて作っている方も…!

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最後は受講生同士でグループを作り、それぞれの短歌の感想を話し合いました!

 

第2回目(7/23)では、「物に語らせる」ことを意識した

短歌作りに挑戦しました!

 

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最初に、壁に貼られた短歌に、感想を付箋に書いて貼り付けました。

実はこの短歌はすべて、受講生の皆さんが事前に提出したもの。

今回のお題は「手」でした。「手のひら」や「手土産」、「千手観音」etc...

同じ1字が入っていても、作る人によって、様々な短歌が生まれました。

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「物に語らせる」作り方について、野球の短歌を例に学びました。

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早速挑戦します!

自分の言いたいことを「物」に託して、短歌を作る…

むずかしーーい!!

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作り終えたら、第1回目の時と同じように、

それぞれの短歌の感想を、受講生同士で話し合いました。

 

第3回目(8/6)では、「変わり歌合わせ」に挑戦!

 

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まず4つの字をお題として、班ごとに計4首の短歌を作りました。

今年は「大」「谷」「翔」「平」⚾!!

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お題の文字ごとに、各班の短歌を発表!

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発表者は、短歌の作者とは別の人が務めます。

良いと思うところをたくさん褒めました!

 

受講生の皆さんが真剣に短歌を作る姿や、

受講生同士で、それぞれが作った短歌について

積極的に感想を話し合う姿が印象に残りました。

梶原先生、受講生の皆さん、ありがとうございました!

A

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日本現代詩歌文学館

日本現代詩歌文学館の公式ブログです。学芸係が、当館の日常や詩歌の森公園の四季を紹介します。

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