【結果発表】ペットと詩歌 作品募集

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募集テーマ
ペット
募集期間
2025年8月20日(水)~12月19日(金)
応募総数
2,864点
詩部門:258点
短歌部門:892点
俳句部門:709点
川柳部門:1,005点

内 容

2025年度常設展にちなみ、詩歌作品の募集を行った〈ペットと詩歌 作品募集〉の選考結果を発表いたします。
ご応募いただいた皆さま、まことにありがとうございました。
なお、俳句部門、川柳部門の小中学生の部は応募数僅少のため、最優秀賞のみの選考とさせていただきました。なにとぞご了承ください。
各部門の最優秀賞は、作者に直筆でお書きいただき、当館の特設コーナーに展示します。

選 者

小笠原鳥類(おがさわら・ちょうるい/詩人)

短歌

前田康子(まえだ・やすこ/歌人、『塔』選者)

俳句

町田無鹿(まちだ・むじか/俳人、『澤』『楽園』同人)

川柳

竹井紫乙(たけい・しおと/川柳作家)

入選作品と選評 ※年齢・学校・学年は作品応募当時のもの。

詩部門 選者:小笠原鳥類 先生

〈小中学生の部〉
最優秀 髙橋蒼生(岩手県北上市/9歳/北上市立笠松小学校3年)
「かわいいねこ」(PDF 109KB)
優秀 小原汐織(岩手県北上市/9歳/北上市立笠松小学校3年)
「わたしのかっている犬のしゅるい」(PDF 167KB)
優秀 山田月咲(埼玉県さいたま市/13歳/さいたま市立与野西中学校2年)
「宇宙一」(PDF 174KB)
 せんぴょう:「かわいいねこ」、ねこが、だいすき。すなおに〈あいじょう〉を、かいていて、とても、いいですね。ありがとうございます。
 選評:「かわいいねこ」、書いた人は、すなおに書いたつもり、だったのだとは思うのです。しかし、今の私には、過剰な愛情だけで書かれてドロドロ溶解した言語であるように見えて、変身している、と読めるのでした。「ぁぁぁ。」「ぉぉぉぉぉ。」とても、いい〈別の世界〉ですね。ありがとうございます。
〈一般の部〉
最優秀 緒方水花里(福岡県福岡市/27歳)
「踊れ大掃除戦☆未宇宙2の逆襲」(PDF 491KB)
優秀 冨田 粥(東京都荒川区/28歳)
「あるイタリアンファミリーレストランの絵画」(PDF 316KB)
優秀 ジブラルタル 峻(東京都江東区/46歳)
「亀が晴れた」(PDF 357KB)
優秀 水野 惑(愛知県春日井市/27歳)
「早朝鳩が珍しく曇った」(PDF 365KB)
〈こころ〉〈愛〉〈悲しみ〉〈優しさ〉で評価するのであれば、みなさん、いい詩であると思います。しかし、ここは、選ぶ場所です。〈言葉の技術〉で評価します。ギッシリ詰め込んでいる「踊れ大掃除戦☆未宇宙2の逆襲」は、いろいろ細かく調べて読む喜びもある、〈他の人とは違う〉言葉の遊び、踊り。優秀賞の3篇も、〈違う〉言葉をギッシリ、絶え間なく遊んでいて、おもしろいですが、最もヤケになって炸裂しているものを最優秀賞に。

短歌部門 選者:前田康子 先生

〈小中学生の部〉
最優秀 憲憲(兵庫県尼崎市/15歳/尼崎市立日新中学校3年)
水の中チャポンと沈みて鼻出して冬の寒さを凌ぐ小亀よ
優秀 ひかる(山口県光市/14歳/山口大学教育学部附属光義務教育学校3年)
猫嫌いな父のいるからこの地域の野良猫ペットと思って過ごす
優秀 柿岡知宏(東京都町田市/13歳/世田谷学園中学校1年)
小さき尾水にきらめき輪をえがくメダカの命水面に生く
優秀 申ハナ(福岡県北九州市/8歳/明治学園小学校2年)
アレルギーあってもきみにさわりたいだって大好き友達だから
 観察眼の効いた歌、飼えない気持ちを転換させた歌、絵画的に生き物を捉えた歌、自身が痒くなっても触れたい素直な気持ちの歌を選びました。どの作品もリアルな場面が一読、伝わって来ます。また全体にペットを通して見える「命」が感じられ、今回応募して下さった皆さん全員、その気持ちを大切にしてほしいと思いました。表現の工夫としては「かわいい」「癒される」はよく言われることなのでそこからどう幅を広げていくのかがポイントだと思います。
〈一般の部〉
最優秀 和泉元良彦(愛媛県東温市/70歳)
君がいて世界はいつも低くなるしゃがめば見える小さなせかい
優秀 星野珠青(千葉県千葉市/37歳)
まだぬくい毛布をめくり勾玉のかたちで眠る猫の発掘
優秀 阿江美穂(兵庫県加東市/73歳)
見られてることも知らずにぽつねんとスマホの画面に留守居の小犬
優秀 穐山やよい(山口県防府市/44歳)
おやすみと言えば小鳥はぶらんこに乗って静かに消灯を待つ
 さまざまなペットとの生活、出会いや別れが詠まれ読んでいるうちにあたたかな気持ちになりました。一説には「ペット」は「小さい」や「撫でる」という語から来ているとされています。しかし人間と同じ命を持つものなのでその存在は大きく、飼えば家族も同然です。自分の見る世界を広げてくれたり、生活に潤いを与えてくれる、また現代ならではの飼い方、命の持つ寂しさなどが表現されている秀歌を選びました。

俳句部門 選者:町田無鹿 先生

〈小中学生の部〉
最優秀 若狹 早(愛媛県松山市/7歳/愛媛大学教育学部附属小学校2年)
かぶと虫さわって体じゅう元気
 ペットと過ごす喜びやペットのいる生活への憧れを素直に詠んだ句が多く寄せられました。理想のペットとして挙がった中にはライオンやナマケモノの名前もあり、自由な発想に驚かされました。
 最優秀賞は〈かぶと虫〉の句。力強い姿で人気の昆虫ですが、作者は見るだけでは満足せず、じかに触れています。かぶと虫のエネルギーが指先から作者の中に流れ込んでくる、その感覚に確かなリアリティがあります。
〈一般の部〉
最優秀 渡邉美愛(石川県金沢市/20歳/金沢大学3年)
抱きあげて仔猫はやわらかい直線
優秀 小野 史(東京都足立区)
児と犬と花いちもんめ春の波
優秀 坂田かさね(岡山県岡山市/21歳/岡山大学3年)
蹇のいんこ歩ます敷布団
優秀 菅野 寅(岩手県北上市/56歳)
老犬の長き尻もち冬日向
 最優秀賞は〈抱きあげて〉の句。「やわらかい直線」というアンビバレントな表現で仔猫の愛らしさを言い当てた。句跨りのリズムも長く伸びた猫の体を思わせて巧み。〈児と犬と〉の句は、春の波のきらめきを背景に、種族の差を超えて遊ぶ児と犬のシルエットを浮かび上がらせる。〈蹇の〉の句はいんこのリハビリの景。小さな体を受け止める敷布団に詠み手の思いが滲む。〈老犬の〉の句の切なくあたたかい眼差しも心に残った。

川柳 選者:竹井紫乙 先生

〈小中学生の部〉
最優秀 きいやん(愛知県刈谷市/8歳)
ねこねてる音を立てずに食事する
 睡眠と食事はどんな生き物にとっても非常に大切な行為です。大事な存在を気遣いながらの静かな食事風景と共に、眠る猫のすやすやとした様子が目に浮かんできます。
 「ねこねてる」の所ですが、「ね」の重なりと、「ね」「る」のくるんとした文字の形が猫のしっぽを連想させ、句の最後の「る」に至るまであたたかな空気を醸し出す一句に仕上がっています。
〈一般の部〉
最優秀 ザ・ポエマリスト(東京都江東区/46歳)
光の犬しっぽで夜を照らしだす
優秀 牛田悠貴(東京都練馬区/27歳)
鳥籠を記憶のほうにあけておく
優秀 nes(兵庫県神戸市)
わたしの道にさやさやと降る換毛期
「ペット」は川柳では書くのが難しい題のひとつです。理由は類想・同想句が非常に多くなるから。誰でも家族同様の存在には情がある。そこからどう句作するのか、選考に残った句にはそのヒントがあります。エゴをうまく捨てるということも含めてゆっくり味わってほしい三句です。

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