詩歌の森日記

古典文学講座-大伴旅人の歌の世界①

令和5年度古典文学講座万葉集

5/10(水)に始まった古典文学講座

岩手県立大学名誉教授の佐々木民夫先生が講師を務めている

毎年恒例の人気講座です。

 

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今年度のテーマは「大伴旅人の歌の世界」

歌人であり高級官吏でもあった大伴旅人は、

どんな歌を残したのでしょうか。

 

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第1回(5/10)では万葉集と大伴旅人の略歴が

取り上げられました。

万葉集は、それまで声に出しながら歌っていた

ものが、漢字による表記が始まったことで

イメージの広がりを持つようになったそうです。

旅人は天皇の先導役となる豪族の出身で、太宰府時代に度々宴会も主宰し

その中でいくつもの歌を詠んでいます。

 

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第2回(5/17)では、旅人の平城京から太宰府へ

赴任した時期の歌が取り上げられました。

大宰府時代の歌に出てくる「空し」(実体のない

もの)という言葉には、同行してきた妻が

病死したこともあり、切なさ・悲哀が表れている

と同時に、世の中に対する旅人の

思いも表れているそうです。

 

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第3回(5/24)では都・平城京への思いが

こめられた歌について取り上げられました。

「わが盛り またをちめやも ほとほとに 

奈良の都を 見ずかなりなむ」(第3巻・331番)

では、年老いたまま都を見ずに終わってしまうの

ではないかという寂しさを歌っています。

旅人はその後、都へ戻ることになりますが、後半

へと続きます。

                   ゆ

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