詩歌の森日記

古典文学講座-万葉集の女性歌人②

令和4年度古典文学講座万葉集

5/11(水)に始まった古典文学講座

講師は岩手県立大学名誉教授の佐々木民夫先生です。

 

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6月に入り、後半3回の講座が開かれました。

 

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第4回(6/8)では大伴坂上郎女が取り上げられました。

万葉集の女性歌人としては最多の八四首、

全体でも大伴家持、柿本人麻呂に次いで、三番目に多くの歌を

残しています。

娘の坂上大嬢は、家持と結婚しました。

恋の歌が多い坂上郎女ですが、大嬢に贈った歌には、母親として娘を想う気持ちが切々と綴られています。

 

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第5回(6/15)では狭野弟上娘子が取り上げられました。

下級の女官であった娘子は中臣朝臣宅守の妻となりますが、

その宅守は流罪となり越前へと下ってしまいます。

離ればなれになった娘子と宅守が贈り合った歌の数々・・・

娘子の歌には句切れが多用されており、特に4句目に

切迫した気持ちが表れているそうです。

 

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第6回(6/22)では「東国の女性」をテーマに、

女性の東歌や防人の妻の歌が取り上げられました。

恋の心情を歌った東国の女性、別離の夫への愛情を歌った防人の妻。

遠く離れた相手を案じながら大切に想う気持ちが伝わってきます。

万葉集の女性歌人の講座も最終回を迎え、参加者の皆様からたくさんの

反響をいただきました。

来年もまた、どんな講座が開かれるか楽しみです。

 

 

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